[音] | イ |
キ |
[訓] | よる |
たのむ |
《意味》
【倚子】いし
中国伝来の座具。天皇や高官の公卿が使用。座部は四角形で四本の足がつき、鳥居形の背もたれと勾欄形のひじ掛けがあり、敷物を敷いて用いた。
「し」は漢音。禅宗渡来以後唐音で「いす」といい、多く「椅子」と書くようになった
【倚藉】いしゃ
頼ること。頼みとすること。よること。
【倚信】いしん
信頼してたよること。
【倚門之望】いもんのぼう
子の帰りを待ちわびる母親の情愛。
「倚門」は家の門に寄りかかること。母親が家の門に寄りかかり、子の帰りを待ち望む意。
中国、春秋時代、衛の王孫賈の母親が、朝早く外出して夜遅く帰る賈を家の門に寄りかかって待ち望み、夕暮れ出かけたときは、村の門に寄りかかって待ったという故事から。
「倚閭之望」「倚門倚閭」
【倚る】よる
もたれかかる。よりかかる。体をもたせかかる。
【禍福倚伏】かふくいふく
災いと幸いは交互にやってくるということ。
「禍福」は災いと幸い。「倚伏」は災いに幸いの、幸いに災いの元がひそむという意。
「禍福糾纆」「禍福相貫」「塞翁之馬」「塞翁失馬」
【偏倚】へんい
一方にかたよること。かたより。
《字源》
声符は「奇(き)」。
「奇」は取っ手のある大きな曲刀の形で、直立しにくいもの。
寄りかかる、もたれかかる、傾く意を持つ。